ごあいさつ

大学在学中に建築デザインに興味を持ち、世界の建築家たちの建築雑誌を見て度肝を抜かれ、 それまでの自分の建築観が一気に崩れました。 建築って面白い！これを仕事にしよう！と思ったのを今でも覚えています。

人間は今まで自分が見てきたものの記憶を頼りに創造します。 私は今まで自分が見てきた日本の住宅が「住宅」だと思っていました。 建築はファッションに似ていて「これが服？！どうやって着るの？」という服だってパリコレでは普通であります。 もはや普通が普通でない。ということが建築界でも起こっていたから非常にのめり込んでいきました。

自分の建築観を広げるためヨーロッパの建築を見て回ったり、建築家の展覧会のお手伝いをしたり、 教授が設計事務所をされていたのでオープンデスクに行って模型を作ったり個性的な友達、 先輩から非常に刺激を受け、日常生活では味わえない有意義な時間を過ごしました。

しかし、設計のスキルがきちんと出来るまでの道のりは非常に長く（いつも痛感している） 建築家のレンゾ・ピアノ氏が「建築家になるのは60歳を超えてからだ」と言っています。 ６０歳まではスキルアップのために色々なことを経験しなければいけない。 云々と本で読んだことがあるが、まさにその通りで、 大学を卒業して教授の設計事務所で三年間修行し、 １級建築士の資格を取るために猛勉強して無事取得したが、 どんな流れで建築が建つのか全く分からなかったため（実家が工務店をしていたので）３０代は現場で過ごしました。 設計事務所では模型作りでのカッターの使い方が勝負どころでしたが、 建築現場では愛と笑いで如何に職人さんと仲が良くなり色々なことを教えてもらえるかが勝負どころになります。 逆にこの職人さんが言っていることは信用できるとかもわかるようにもなります。 現場は人対人でチームプレイが大切です。人間の総合力がないと現場をまとめることができません。 こういうやりとりは設計事務所では経験できなかったことで、とても気づきの多い経験となりました。

また、様々な建築材料を一通り使う中で、耐久性、デザイン性の両方を兼ね備えたガラス、 木、ステンレス、コンクリートなどの無垢素材に魅力を感じました。 ３０代は様々な材料でひたすら実験をする日々を過ごし、 ついに「性能×デザイン＝D A D A」という方程式が完成ました。

建築を創るということは、設計事務所、現場、施工会社、 お施主様・職人さん様々な人たちが様々なアイデアを出し、 様々な会話をする充実した楽しい空間だと思っています。
また、建築を創るためには、まず、お施主様との会話からスタートです。 D A D Aはお施主様との会話を大切にしています。 色んなアイデアをお互いに出し合って１つの建築を創ることができればと考えております。