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2024/05/10

信州伊那谷のモノリシックハウス：アルプスの絶景と調和する長屋デザイン

この住宅プロジェクトは、信州伊那谷に位置し、壮大なアルプス山脈に囲まれた美しい田園風景の中に配置されています。敷地は北には隣接する建物があり、南には広がる田んぼと果樹園からなる静かな自然景観を望むことができます。また、西側はJR飯田線に面しており、電車が近くを通る様子を間近で観察できる特等席です。

敷地の形状は約10m×50mの細長い形をしており、前面道路からのアプローチ幅は約10mと限られています。設計では、南側の静かな景色を日常的に楽しめること、そしてこの住宅が自然に溶け込むデザインを意識しました。最終的には、細長い敷地にマッチし、ダイナミックな印象を与えるモノリシックな建築を採用しました。もともとはL字型の計画もありましたが、コストの問題でI字型に変更し、これが敷地にぴったり合う形となりました。

家の内部は、リビングを中心に家族の生活が展開されます。子供部屋は主に就寝用として使用し、その他の時間はリビングで過ごすため、プライベートスペースは北側に配置されています。南側には40mにも及ぶ長い廊下を設け、その全長からアルプスの山々や果樹園の景色を一望できます。この廊下の設計は、近くを通る電車の通路からヒントを得ています。廊下に設置された1.5m角の窓からは、外の景色を楽しむことができ、廊下自体が玄関から入った瞬間に視界に飛び込むため、訪れる人々に特別な印象を与えます。プライベートルームのドアにはドアノブがなく、全てが白で統一された壁と同化しており、空間全体が均一でトンネルのような雰囲気を演出しています。

この家は、内部と外部の自然との強い関連性を持ちながら、家族が日常的に豊かな自然を感じることができる設計になっています。